しきりに このむね うずかせる

隣の部署の後輩(男)が相当鬱屈としてた。可哀想に。え?飲みに行きたい? いいよ。週末辺りに軽く行くか。その日くらいは早く終わるように頑張ろうぜ! 
 
……ふぅ。正直言って、俺は彼のメンタルケア分の給料を貰ってるわけじゃないから、こんな事をしてあげる義理はない。プライベートの悩みなら兎も角、仕事の悩み事なんだから。一方、彼の直属の上司は、その(責任)分の給料もしっかりと貰ってるわけで。だから、そういうのは本当は管理職の仕事なんだよね。
が、かくいう俺も、俺をケアする給料なんか貰ってなかったであろう先輩たちに、語り尽くせないくらいお世話になってます。何度死の淵より助け出されたか。 やっぱり上司には言えないことだって山ほどあるわけですし。
だから、受けた恩は返す。そうすれば、きっといい事があるはず。いや、見返りを求めるわけじゃないけど。願わくは、この輪がいつまでも途切れないことを。
 
そして、今日の夜。帰り支度をしてたら、その後輩の同期の子(女)が擦り寄ってくる。

「聞きましたよ〜、○○君と飲みに行くらしいじゃないですか」
「なんでもう知ってるの?」
「○○君から一緒に来てくれって言われましたよ〜。当日は楽しみにしてますから!」

まぁ、二人きりだと華がない、とは思ってたんですが……倍率ドン、さらに倍ってところですね(出費的な意味で)。
 
そして、ふと思う。俺もなんだかんだで丸5年近く、同じ会社でなんとかやってきた。未然に億単位の損失を防いだりも出来たし、後輩や、場合によっては先輩に対して教えたりもするし、それなりに会社の中でもポジションが出来てきたのかな。そして、たまに後輩と飲みに行って愚痴を言い合い、そしてまた日常にもどって。
なんとなく、大学時代の、サークルやバイトの歯車がうまく回ってた頃の事を思い出した。あの時は良かったが……もう戻れないんだよな。なら、戻れないなりに、なんとかあがいてみるか。