土曜ワイド・哀の劇場〜バレンタインデーに東尋坊

いのちのでんわ

掲題の通りです。前日にクソみたいなことを沢山やらかし、友人の上司が逮捕された今、私は生きていく希望が無くなりました。というわけで、早起きして東尋坊(自殺の名所)に行ってきます。ここには帰ってきたときに感想文を書く予定ですが、もしかしたら永遠に書かれる事が無いかもしれません。
とか言いながらここにアップしてるということは、おめおめと帰ってきたわけなんですが。まぁ、いいか。思考の流れがそのまま文章になったような駄文ですが、ご容赦ください。
朝7時。いつもと同じ時間に起床。どう行ったらいいのかは前日にウエブサイトを覗いて調べただけ。そんな状態で行くって言うんだからどうしようもないですな。で、電車に乗って名古屋へ。名古屋駅近くのATMでお金を下ろそうと思ったら開店が朝9時からで下ろせず。ちくしょう。ま、死出の旅に金なんざ不要だ。
福井までの切符を買う。駅員に往復切符を勧められるが、拒否。帰りは無いのに、なんで切符が要るんだよ。そんな荒んだ状態で「しらさぎ」に乗りこむ。福井まで約二時間。その間、じっくりと考えた。これからどうなるのか。俺はどうしたらいいのか。死にたいのか、逝きたいのか。考えて、考えて、考え抜いた。
結局、仕事でいろんな失敗をやってしまったわけだが、俺が悪いというよりは、そういう事を「悪」とみなす組織の考え方と相容れないだけだったのか、と。まだ今回の一件は、私にも(知らなかったとはいえ)非があったわけで、そういうことで過剰に責められるのなら、まだいいか。でも、職場のとある方とは「非」と考えるポイントが明らかにズレていたわけで。今回問題となった根幹のことよりも、些細な枝葉の事で文句を言われるのは、さすがに嫌気が差す。今後はそういった事を言われないように、ポイント以外の部分もきちっとする必要があるな。でも、ポイント以外のところできちっと出来ないのが私なわけで。本当にやろうとしてもできない、というか頭で分かっていても体が動かない。うーん。
これって試練なのかな。ちょうど4年前、サークルを辞めるかどうしようか悩んでた頃とよく似てるな。同期や先輩とうまく行かずに悩んでたあの頃と。あの時は後輩の可愛さに中てられて結局居残ってしまったわけだけど、あの時と比べて状況は格段に悪くなっているわけで。だって、日常で接する時間が半端じゃないし。どうしたもんかな。
やっぱり、根幹の部分でミスらないように。これだな。ミスったり分からないことはチェックすること。ただでさえ私は注意力が散漫なんだから。最近、寮の先輩に「本部配属という事は期待されてるんだ。坂上田村麻呂蝦夷討伐のときに築いた砦のような存在なんだよ。お前がダメになったら、お前の年代全員がカス呼ばわりされることになるぞ。だいたいあいつは……(以下実名攻撃)」と言われたばかりだし。俺は砦なんだ。同期の。よし、いっちょ気合入れてバシッと生きてみますか。
が、これからも枝葉末節のことで言われ続けるのなら、是非もなし。私と組織の相性が合わなかっただけなんだろう。今から他にやりたい事を探すだけだ。
……そんなことを考えているうちに福井に到着。やっぱり北陸の長いトンネルを抜けた後の雪景色は何度見てもいい。えちぜん鉄道に乗り込み、三国を目指す。車掌さんが女性でへぇーと思ってたら、2駅で下車しワンマン運転に。ちくしょう。
そして、三国からバスで東尋坊へ。いよいよだ。昔、東尋坊という悪いお坊さんがここから突き落とされたとかいう伝説の場所。自殺の名所。私の胸は少年のようにときめく。
土産物屋が立ち並ぶ通りを過ぎ、ようやく到着。
写真を見てください。素敵です。死にたくなります。でも、海から非常に強烈な、台風の日みたいな風が吹き荒れてるんですよ。死のうとする人間を押し戻すような。そうか、これは東尋坊の死ぬなという意思表示か。そう思うと心が安らぎました。と同時に、今度そういう気になった時は、迷わず景勝地に旅に出るといいのかも、とも思いました。困ったときは自然が癒してくれます。そういえば、私は就職活動で嫌気が差したとき、よく琵琶湖を見に行きました。JRでいうと安曇川のあたりが綺麗に見えるんですよ。
閑話休題。そう思うとやる気が沸き、あちこち探検してみる気になりました。ごつごつとした岩場の先端まで行って、海を覗き込んでみたり。この高さじゃ死ねないな、とか思ってたら今度は海に向けて突風が。死ぬかと思った。でも、年とってからだとこんな積極的な行動に出れないだろうから、今のうちにじゃんじゃんしておかなくては。
そして、散々歩き回って自然を堪能した後、土産物屋でイカ焼きとおろしそばを喰らい、帰途につく。その手には、しっかり会社の人たちへの土産が握られていましたとさ。
ただ、このまま帰っては勿体無い。死ぬのを思いとどまる為だけに旅行なんて、少し情けない。というわけで、すぐ側にある保養地、芦原温泉へも寄ることに。ちなみに、芦原温泉東尋坊が結構近くにあることは、こっちに来るまで知りませんでした。
で、この街の銭湯、セントピアあわらへ。ゆっくり風呂入ってビール飲んでマッサージチェアーに身を委ねてると、何もかもどうでも良くなってきました。旅先で飲むビールはやっぱり美味い。
風呂上がった後はバスでJR芦原温泉駅へ。駅こそ「芦原温泉」と名乗っているものの、実際は隣の金津町にある駅だったり。なんで温泉からバスで15分くらいかかるんだ。
ここから再度「しらさぎ」に乗って名古屋まで帰る予定だったのだが……バスの連絡が悪く、なおかつみどりの窓口にウザイ先客が居たため、予定の電車の切符が買えなかった。怒。仕方が無いので駅の売店文藝春秋を買って次の電車が来るまで読みふける。芥川賞受賞作品も載ってたので、暇つぶしにはちょうどよかった。どっちが好きか、といわれれば「蹴りたい背中」かな。文章表現に光るものがあって面白かった。
そういえば、電車を待ってる時間にとある友人がエロゲー購入相談を持ちかけてきた。よりによってなんで今日なんだよ。それに最近のゲームはぜんぜん知らないっての。それでも駅の待合室にあった観光案内機を使ってネット検索をしてレビューを教えるあたり、俺もかなりお人よしだな。
そして、電車に乗り込んだ後もずーっと読む。誰だったかのコラムか忘れたけど、トリビアの「へぇ〜」というリアクションは、(飲み屋で)くだらない薀蓄話を傾けられたときの最高の切り返し方という話を読んで、激しく同意してしまった。人を傷つけず、無視せず、かといって賛美もしないからちょうどいいとか。へぇ〜。
そして名古屋でいつもの如く駅麺通りへ。今回は尾道ラーメンを食べてみた。少し期待はずれだったかな。で、すぐに実家への電車に。
ま、日帰りにしては充実しててよかった。それよりも、自分の中の問題に答えがある程度だけど見えてきたのが収穫だった。答えのなさそうな問題でも、答えが出るまで考えて、考えて、考え抜いて、そうやって出た答えを最後まで貫き通すことが大事なんだ。むしろ、答えを貫き通すことが一番難しいのかもしれない。
もう少しいろいろと書きたいところですが、来週も旅に出ることだし、今回はこの辺で筆をおくことにします。早くもここで書いたことが翻ってたりするかもしれませんが。それでは、ごきげんよう
……そういえば、バレンタインデーについて書く事を忘れてた。題名に入れてるくらいなのに。ま、いいか。忘れるくらいの些細な出来事だったんだ。私にとっては。