連帯保証人の悲劇

その連帯保証人、本当に引き受けても大丈夫?(MSNのマネーコラム)
「連帯保証人」について分かりやすく解説してあります。一言でいえば、「人の借金に無限の責任を負う」制度です。まぁ、俺も他人の連帯保証人には絶対になりたくないのに、仕事では「保証人の資産がうんたらかんたら」とか言ってるので、一つの判断基準ではあるわけですが。会社は法、人間は自然人(しぜんじん)。どちらも「人」です。片一方の人がダメなら、もう一方で補うのです。
そして、何故急にこんな話題を書いたかと言うと、最近とある恐ろしいことがあったからです。
今でこそ、借りる人と関係のない連帯保証人を取る事は減りました*1。で、そんな保証人重視の流れが緩和されていく中でも、担保を提供する人は全員連帯保証人になって貰ってました*2。普通は社長が持ってる土地とかを取るので、連帯保証人=担保提供者となるから、あまりその辺りの理屈は関係はありません。
で。とあるボロボロな会社があって、そこが金を借りるにあたって担保を入れろという話になりました。ところが厄介なことに、その担保に入れようとする土地は共有持分の登記がしてあったからさぁ大変。共有している人を全員保証人に取らないといけません。そして、その中には20才と数ヶ月くらいの社長の娘(大学生)の名前も。未成年の場合は行為能力が無いから保証人に取らなくてもいいのですが、かわいそうに数ヶ月でも成人してしまったからには、そうはいかんざき。。。たぶん何も分かってなくて「ここに何も言わずに名前書いてはんこ押しとけ!」位のことを言われてサインしたんでしょうなぁ。
そして、数年後。その会社は潰れ、社長も自己破産。まぁ、ここまでなら自業自得なのですが、会社がそうなってしまったからには、取立てが連帯保証人であるその娘のところに行くわけで。そっから先は知らないのですが、多分娘さんも自己破産せざるをえないんだろうなぁ。もうしたのかなぁ。もうクレジットカードも当分作れやしない。それだけならまだしも、もっと悪徳な業者に捕まって、返すために風呂に沈められているのかもしれない。
まだ大学も出てない、俺より若い娘さんが、そんな目に遭うのを見なきゃいけない現実。因果な商売ですよ。
俺は書類の上で見てるだけだけど、実際に回収に携わる人は、もっと生々しい奴を見てるんだろうなぁ。「嫌や嫌や、追い出されたらどこ行ったらええの」とか言って競売された家にすがりつく人へ強制執行する人とか。それを思えばまだ幸せなのかな。
 
ま、結局は連帯保証人という制度には本当に気をつけたほうがいいっすよ、ということです。例え住宅ローンを借りるときでも、ね。

*1:昔は事業と直接関係の無い(友人等)でも取ってたらしいです。

*2:理由は、ちょっと説明すると長くなるので、テキトーにググっといてくださいw