仕事で青春

再び会社の寮に入ったは良いものの、ネットには未だに繋がってないし、身辺雑貨も殆ど無い。私服も殆ど無い。部屋にテレビも無い。買いに行こうにも、夜が早くて悉く閉まってる。これだから田舎は……。
そんな訳で、色々と物を買いに名古屋へ出ました。この「出る」って表現も嫌だよなぁ。前は新宿まで地下鉄で10分だったから、「出る」というより「ちょっと行く」という感覚だったんだけど、もう今やそんな事は言えない。一級河川を何本も越えて、電車に30分以上揺られて。小旅行ですな。
それはさておき。三省堂で色々と漁ってたら、こんな本を見つけた。

投資銀行青春白書

投資銀行青春白書

外資投資銀行新人OLミヤビの奮闘記」と帯にあったし、そのくせ挑戦的な表紙だったから、どんなものかと思って購入。ちょうど俺が東京で似たような仕事をしてて、担当分野もミヤビちゃんと同じだったし、元々ファイナンスの知識なんて殆ど無いド素人な所も彼女と同じだったからかもしれないけど、妙に引き込まれましたね。ビューティーコンテストとか、最終入札の時の話とか、ドキドキしながら読んでしまいました。「仕事」というもののいい部分だけを抜き出したような小説ですので、これから社会人になる方にはお奨めかと思います。
そうそう、あとがきでこんな言葉があったんです。

「入社してから今まで、青春だったよね……」

転職する著者に対しての同僚の言葉だったのですが、この一言には感じ入りました。
私、大学時代は雑誌を編集するサークルに居たけど、イベントサークルの手伝いもやってました。雑誌を一冊作り終わった後や、イベントが終わった後の達成感と、心地よい疲労感とがごっちゃになったような、あの気分。これこそ青春なんだなぁ。社会人になってからでも、仕事が終わった後はそんな気分になるのかなぁ、とか思ってたわけです。
ところが今の会社ではそんな事を味わう間もなく、単純な事務をフゥフゥ言いながらやってて、こりゃもうあかんな、と思ってました。その辺の事情は、一年以上前の日記を読んでいただければよく分かると思います。
そんな時に東京に転勤。仕事量は半端じゃなく多くなったし、求められる知識もハイレベル。こりゃ本当にヤバイな、とか思ってたら、先輩や上司が徹底的に知識を叩き込んでくれました。おかげで何とかかんとか仕事の輪に入れ、皆と一緒に一つの大きなディールに挑み、達成し、祝杯を挙げ。これは大学時代に感じた「青春」の感覚そのものでした。
仕事でこの感覚を味わえるのは、もしかしてとっても貴重な事なんじゃないか、と思う今日この頃です。次に味わえるのはいつだろうか。