家具の世界についてちょっと考えてみた

仕事帰りにイケアに行ってきました。
京葉線に揺られて30分、南船橋に到着。それにしても東京駅の京葉線ホーム遠すぎ。あれなら大手町→八丁堀or新木場までメトロで行った方がまだマシかも。「京葉線ホームまで700M」という表示を見たときはさすがにくじけそうになった。そんな遠い場所にある癖に東京駅と名乗るなよ。
閑話休題。雨降ってると客足が鈍るのは小売・外食業の定説だから今日は安心して行ったのだが、それでも人は多かった。まぁまぁ安いし、お洒落だし、悪くは無いと思う。店内がどんな感じなのかはIKEA船橋に行って来ました1〜4が凄く詳しいので、そちらに譲ります。
で、このイケア、業界の人に聞いても成功するか失敗するか、意見は真っ二つなんですよね。成功するって人は、日本に今まで無かった洗練されたデザインの商品や、DIY家具への消費者の慣れがあるからと言うし、かたや失敗するって人は、日本の消費者は過剰なサービスに慣れてるから、組み立てや配送といった潜在コストを顧客に負担させるスタイルがダメとか、Wal-MartやCarrefour*1と同様、ローカライズされてない自国のスタイルや製品をそのまま持ち込んで消費者の反発を受けて失敗するとか言うし。結局、消費者がどういう反応を下すかは誰も分からないんですよね。でも、それを予想するのが俺の仕事なので、色んなところから判断をしてみようと思います。
結論としては、ある程度は受け入れられるんじゃないでしょうか。ここでしか買えない物だということを上手くアピールできてるし、総合小売と違って目立ったライバルが国内に居ないから。強いて言えばニトリとかになるんだけど、ニトリは社長自身が「われわれは相撲で言えばやっと前頭。向こうは横綱。最初は投げ飛ばされてばかりだろうけど、胸を借りるつもりで頑張りたい」みたいな事を言ってるし。実際、自分のやり方を日本に持ち込んで横綱相撲をとってるわけですから。
とすると、彼ら自身の製品やビジネスモデルが日本の消費者に対してどこまで受け入れられるかということになるんだけど、製品に関しては使ってみないと何とも言えないし、そもそも買ってもいないのに語るのは愚の骨頂なので、主にモデル面について考えてみました。やはり、若干の懸念があると思います。
まず、店舗面。途中で出られない(=途中から入れない)構造は、ちょっと収納用品がほしいなぁ、といったニーズを取り込むには難しいですよね。あと、あのトイレの少なさと3歳児くらいなら轢き殺せそうなカートは何とかしたほうが。子供と一緒には行かないほうがいいと思います。
そして、配送サービス。ここで家具を買う人はみんな持って帰るもんだと思ってたけど、配送コーナーには長蛇の列が。たぶん運営側の予想を大幅に超える配送量だと思うけど、果たして物流能力は大丈夫なのか。それで着くのが遅れて不快な思いをしたら、それは周りに伝播します。欧米のイケアでは一人の顧客は平均して一年に一回くらい来店するそうだから、一年ちょっと後の様子を見れば、開店後の戦場みたいな状況で何が起こったのか、そして彼らが成功したか失敗したかが大体分かるんじゃないかと思います。
行く前は結構期待してて、実際店を見てても凄いなぁ、と思ってたのですが、レジ近くのセルフチョイスエリアで「もう歩けない〜おんぶ〜」という子供の泣き声を聞いて、歩くことを顧客に強要させている=自分のスタイルを押し付けているということに思い至りました*2。でも、安価な品が豊富に揃ってるし、今までに見られなかった色々なモノが見られる凄い店であることは確かです。そして、これを機に国内事業者も努力して、結果として洒落てて安い品が世の中にあふれてくれれば、それだけでもう満足です。

*1:カルフールQMAの並び替えで出るので備忘も兼ねてw

*2:託児所はあります。念のため。