ツンデレな友達に相談に行ってみました

「……こんばんわ」
「何?なんでアンタ呼んでもないのに来るわけ?」
「いや、ちょっと聞いてもらいたいことがあってさ、少しでいいからつきあってよ」
「ふ〜ん、入ってよ。……一応聞いてあげるけどさ、暇で暇でどうしようもないから仕方なく相手してるだけだからね? お茶もたまたま余ってたから出してるだけだから、勘違いしないでよ!」
「ありがとう……もう俺、ダメかもしれない……月曜日会社に行けないよ」
「ちょっ……いきなりどうしちゃったのよ?」
「いやさ、自慢するようだけどさ、地元ではそれなりに仕事もしてきてさ、派遣される時も、一年間しっかり頑張って帰るぞ!ってな感じで喜び勇んでこっちに出てきたはいいものの、周りは優秀な人ばかりでさ、仕事の進め方も凄くて、俺なんかぜんぜんダメで、毎日毎日ゴミクズのように怒られてさ、みんな頭の回転も速いし、いろんな事知ってるし。今日も休日出て仕事してたんだけど、やっぱり終わらなくてさ。できない仕事を持って滝つぼに飛び込もうかと思って……」
「そんなことで相談しに来たの? ホント、一人じゃ何もできないんだから…私に相談するより先に、勉強して少しでも追いつこうとか思わなかったわけ? そんなんだからいつまで経っても進歩しないのよ?」
「……わかってるんだよ、それはさ。いかに今の自分のレベルが低くて、情けないか、日々自覚させられるんだ。でも、自分なりに一生懸命考えて提出して、ディスカッションに持ち込んでも、ガンガンに詰められて、とてもすぐには分かりそうにない事や、こんな所までどうやって調べるんや、といった事まで言われてさ。『分かりません』というと『本当にお前ちゃんと調べてんのか?今まで何やってたんや?』みたいに言われるし。その事に気づかなかった自分に嫌気がさすし、かといって今更人にも聞けないし、もうどうしたらいいのか……うっうっ(涙声」
「な、何よ、いきなり泣き出したりして……もうちょっと気楽に考えたら? あんたの仕事の穴を探すことなんか、袋の中から物を取り出すのと同じくらい簡単なんだから、上司が『こいつを詰めよう』と思ったら、幾らでも言われるに決まってるじゃない。そんなのを全部自分で抱えてたら精神破壊されちゃうわよ? 最初は言うことを聞いて自分を磨いていくのも大事だけど、分からないことは分からないと言って投げ返してもいいんじゃないの? 自分で抱えて仕事が遅れることのほうがリスク高いわよ? あとね、怒られてるって事はしっかり見てもらってるって事なんだから、後々考えたら絶対プラスになるんだから。今は辛いかもしれないけど、必死に努力し続けてれば、いい事あると思うよ?」
「……そっか……そうだよな!……ありがとう、おかげでやる気が出てきたよ!」
「なっ、何勘違いしてるのよ! 別にあんたのために言ったわけじゃないのよ! あくまで一般論を述べただけなんだからね! 泣くだけ泣いて気が済んだでしょ? 私は明日も忙しいんだから、さっさと帰ってよ! ……でも、相談してくれてありがとう(小声)」

参考文献。いつかは核さんの日経平均はツンデレ的なものをやってみたいな、と思ってたら、偶々ネタがあったので書いた。男の先輩複数名の意見を自分なりにまとめておこうと思ったらこうなった。今でも反省していない。イブの夜にこんな事を書いてることに対しても反省していない。